お正月には欠かせないお餅は、様々な場面で楽しまれます。
しかし、近所からのお裾分けを受けたり、買い過ぎてしまったりして、食べきれずに冷蔵庫や冷凍庫に長く保管してしまうことがよくあります。
そして時間が経過して忘れていたお餅を使おうと思ったら、カビが生えていたり、カビ臭がしていたことはありませんか?
よく言われる「匂いがなければカビを削れば食べられる」「加熱すれば安全」、また「冷凍しておけば長持ちする」といった情報が流れていますが、これらを安易に信じると健康を害する恐れがあります。
今回は、餅に関する一般的な噂が本当に安全かどうか、その真実について解説します。
餅にカビ臭がするけど見えない、それって本当に大丈夫?
カビが目に見えている場合はすぐにカビと分かりますが、見た目にはカビがなくてもカビ臭がすることがあります。
このような状態の原因として考えられるのが「白カビ」の存在です。
白カビは肉眼では非常に見つけにくいものですが、実際には小さな胞子が存在していて、これが成長する前の段階であることが多いです。
成長段階の初期にあるため見えないことが多いのですが、カビ臭がする時点で餅を食べるのは避けるべきです。
また、餅から異臭がするもう一つの原因として考えられるのは、「冷蔵庫内の他の食品からの臭い移り」です。
冷蔵庫や冷凍庫にはさまざまな食品が保存されており、その臭いが餅に移ることがあります。
この場合、餅を一度湯通しすることで、もし臭いが食品の移りであれば解消される可能性がありますので試してみてください。
また、カビが見えない場合でも安全かという疑問に対しては、一般に「匂いがなければ削って食べられる」と言われることがありますが、これは非常に危険な行為です。
見えないカビの胞子が存在する可能性がありますので、匂いがなくてもカビが疑われる場合は食べないことが推奨されます。
カビが表面から取り除かれたように見えても、実は非常に厄介な存在で、見えない胞子が餅の内部に侵入していることが多いです。
また、カビは一種類だけではなく、複数種類が混在していることもあります。
これらのカビを摂取することは、がん、食中毒、アレルギー反応など、健康に様々な危険をもたらす可能性があります。
科学的な研究により、外見上は白く清潔に見える餅でも、顕微鏡で見ると菌糸が伸びていたり、見えない根を張っていたりすることが確認されています。
このような隠れたカビの存在は、普段の目視では判別が難しいため、特に注意が必要です。
したがって、餅にカビが生えているか匂いがするなど、少しでも異常が見られた場合は、安易に削ったり加熱して食べるべきではありません。
食品に見える異変がある場合は、すぐに廃棄することが安全です。
「加熱すれば安全」というのは誤った認識です。
確かに一部のカビは熱に弱いですが、餅に生えるカビは耐熱性があり、加熱しても死滅しないことが多いです。
また、カビが生成する毒素である「アフラトキシン」は非常に危険で、加熱しても消滅しないことが多いです。
そのため、昔ながらの加熱が安全という考えは捨て、カビが見られる場合は即座に廃棄することが重要です。
餅を冷凍すればカビが生えない?真実を探る!
多くの人が餅を冷凍するとカビが生えないと考えがちですが、実際のところはどうでしょうか?
答えは「絶対に生えないわけではない」です。
カビは非常に手強く、空気中に普遍的に存在していますので、100%の防止は不可能です。
カビの胞子はどこにでもあり、少しでも適した環境が整えば成長を始める可能性があります。
しかし、冷凍はカビの成長を抑制する効果があるため、カビの発生を大幅に遅らせることは可能です。
カビの成長には「湿気と空気」が必要です。そのため、冷凍保存の際は次の手順をお勧めします。
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余ったお餅を一つずつサランラップでしっかりと包みます。
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包んだお餅を冷凍用のジップロックバッグに入れ、できるだけ空気を抜いてから冷凍庫に保存します。
この方法で湿気や空気を遮断し、カビの成長を防ぐことができます。
お餅を食べたい時は、自然解凍するか、オーブントースターで焼くと美味しくいただけます。
冷凍保存の推奨期間は2~3ヶ月です。匂い移りや冷凍焼けを防ぎながら、お餅の品質を保つことができます。
最大で1年間持つことはありますが、時間が経つにつれて匂いが移ったり、冷凍焼けが発生しやすくなり、味が落ちる可能性があるため、できるだけ早めに消費することが望ましいです。
まとめ
お正月が近づくと、家中がお餅であふれることも珍しくありませんね。
以前はカビが生えた部分を削って食べたり、匂いがなければ安心、加熱すれば問題なしと考えていた方も多いでしょう。
しかし、カビには目に見えない胞子や菌糸が存在し、これらは健康に害を及ぼす可能性があるため、カビの兆候が見られたらそのお餅は処分することが重要です。
冷凍保存する際も、匂い移りや冷凍焼けに注意が必要です。保存期間は2~3ヶ月以内に設定し、その期間内に食べきるようにしましょう。