社会人として第一印象を決める大きな要素の一つが「言葉遣い」です。学生時代とは異なり、ビジネスの場では、ちょっとした言葉の違いが「礼儀正しい人」と「失礼な人」の印象を分けることもあります。
「敬語って難しそう…」「先輩や上司にどう話しかけたらいいの?」と不安を感じる新人の方も多いかもしれません。ですが、正しい言葉遣いを身につければ、自信をもって社内外の人とコミュニケーションをとれるようになります。
本記事では、新入社員が押さえておくべき「ビジネスでの丁寧な言葉遣い」の基本を、ステップ形式で分かりやすく解説します。入社前にしっかり準備して、スムーズに社会人生活をスタートさせましょう!
ステップ①:「です・ます」調で話す習慣をつける
ビジネスシーンにおいて、適切な言葉遣いの基本は「です・ます調」を使うことです。普段のカジュアルな会話では、「〜だよ」「〜だね」「〜してね」といったフランクな表現を使いがちですが、職場では丁寧で礼儀正しい話し方が求められます。
「です・ます調」を使うことで、相手に対して敬意を示し、ビジネス上の信頼関係を築くことができます。特に、取引先や上司との会話では、丁寧な言葉遣いが大切です。
1. なぜ「です・ます調」が重要なのか?
「です・ます調」を使うことには、以下のようなメリットがあります。
敬意を示し、信頼関係を築ける
- 会社では、上司や取引先と話す機会が多く、相手に対して敬意を示す必要があります。
- フランクな話し方では、ビジネスの場では軽率な印象を与えることがあり、失礼にあたる可能性もあります。
丁寧な印象を与え、誤解を防ぐ
- 例えば、同じ内容でも「〜だよ」「〜してね」と伝えるより、「〜です」「〜してください」と言ったほうが、指示や依頼が柔らかく伝わります。
- 言葉遣いが丁寧だと、相手も安心してコミュニケーションを取ることができます。
公式な場面でも通用する話し方になる
- 「です・ます調」に慣れておくと、社内の会議やクライアントとの商談など、フォーマルな場でもスムーズに対応できるようになります。
2. 「です・ます調」への変換例
普段の話し方をビジネス向けにするには、カジュアルな表現を「です・ます調」に変換する練習をすることが大切です。以下のような例を参考に、日常的に意識してみましょう。
依頼や指示の表現
-
❌ NG:「この書類、あとで送るね。」
-
✅ OK:「こちらの書類は、後ほどお送りいたします。」
-
❌ NG:「この件、もう少し調べてみてね。」
-
✅ OK:「この件について、もう少し調査していただけますでしょうか。」
報告の表現
-
❌ NG:「今日の会議、時間変更になったよ。」
-
✅ OK:「本日の会議ですが、時間が変更になりました。」
-
❌ NG:「プロジェクト、順調に進んでるよ。」
-
✅ OK:「プロジェクトは順調に進んでおります。」
お礼や謝罪の表現
-
❌ NG:「手伝ってくれてありがとう!」
-
✅ OK:「ご協力いただき、誠にありがとうございます。」
-
❌ NG:「遅くなってごめんね。」
-
✅ OK:「ご連絡が遅くなり、大変申し訳ございません。」
3. 「です・ます調」を習慣にするためのコツ
丁寧な言葉遣いを自然に使えるようになるには、日常的に意識して練習することが大切です。以下のような方法を試してみましょう。
① 普段の会話で意識する
- 社内の会話でも、同僚や上司に対して「です・ます調」を使う。
- 例えば、同僚に「ありがとう!」と言うときも、「ありがとうございます!」にする。
② メールやチャットのやりとりでも使う
- 文章を書くときも、カジュアルな表現を避け、「です・ます調」を意識する。
- 例えば、
❌「了解です!」 → ✅「承知いたしました。」
❌「ちょっと待ってね」 → ✅「少々お待ちください。」
③ 上司や取引先とのやり取りでは特に注意する
- 上司や取引先に話すときは、特に「です・ます調」を使い、丁寧な言葉遣いを意識する。
- フランクな口調が癖になっていると、無意識のうちに失礼な印象を与えてしまうことがあるので注意。
④ 反復練習をする
- 「カジュアルな表現 → ビジネス表現」に変換するトレーニングを日常的に行う。
- 例えば、同僚同士で「この言い方をビジネス向けに直すとどうなるか?」といった練習をするのも効果的。
ステップ②:敬語を正しく使い分ける(尊敬語・謙譲語・丁寧語)
ビジネスの場では、敬語を適切に使い分けることが非常に重要です。相手との関係性に応じた敬語を使わないと、無意識のうちに失礼な印象を与えてしまうこともあります。
特に、敬語には「尊敬語・謙譲語・丁寧語」の3種類があり、それぞれ使い方が異なります。この違いを正しく理解し、状況に応じて適切に使い分けることが求められます。
① 尊敬語(相手の行動を敬う表現)
尊敬語は、相手の行動を高めて敬意を示す表現です。相手が目上の立場(上司・取引先・お客様など)の場合に使用します。
尊敬語の基本ルール
- 相手の動作を表す動詞を特別な言葉に変える
- 「お〜になる」「ご〜なさる」の形を使う
主な尊敬語一覧
一般的な動詞 | 尊敬語 |
---|---|
言う | おっしゃる |
行く・来る | いらっしゃる / お越しになる |
する | なさる |
見る | ご覧になる |
聞く | お聞きになる |
知っている | ご存じ |
食べる・飲む | 召し上がる |
会う | お会いになる |
尊敬語の例文
- 「社長が会議でおっしゃっていた内容について、資料を作成しました。」
→ 「社長が言っていた」を「おっしゃる」に変換 - 「部長はすでに会場へいらっしゃいました。」
→ 「部長はもう来た」を「いらっしゃる」に変換 - 「お客様はこの商品をご覧になりました。」
→ 「お客様はこの商品を見た」を「ご覧になる」に変換
🔹 ポイント
- 尊敬語は「相手の行動」に対して使うもの
- 自分の行動には使わない(例:「私はこの本をご覧になりました」は誤り)
② 謙譲語(自分をへりくだる表現)
謙譲語は、自分の行動をへりくだることで、相手に敬意を示す表現です。主に、上司や取引先、お客様に対して、自分(または自社)の行動を話すときに使います。
謙譲語の基本ルール
- 自分の動作を表す動詞を特別な言葉に変える
- 「お〜する」「ご〜申し上げる」の形を使う
主な謙譲語一覧
一般的な動詞 | 謙譲語 |
---|---|
言う | 申し上げる |
行く・来る | 伺う / 参る |
する | いたす |
見る | 拝見する |
聞く | 伺う |
知っている | 存じ上げる |
食べる・飲む | いただく |
会う | お目にかかる |
謙譲語の例文
- 「本日の会議では、私からご説明申し上げます。」
→ 「私が説明する」を「ご説明申し上げる」に変換 - 「後ほど、お伺いいたします。」
→ 「後で行きます」を「お伺いする」に変換 - 「資料を拝見いたしました。」
→ 「資料を見ました」を「拝見する」に変換
🔹 ポイント
- 謙譲語は「自分の行動」に対して使うもの
- 相手に対して使うと逆に失礼になる(例:「社長が資料を拝見しました」は誤り)
③ 丁寧語(一般的な丁寧な表現)
丁寧語は、話し方や文章を丁寧にするための表現です。ビジネスでは、「です・ます調」や「お・ご」をつけることで、言葉を柔らかくすることができます。
丁寧語の基本ルール
- 「です・ます」を語尾につける
- 名詞に「お」または「ご」をつける(ただし例外あり)
「お・ご」をつける単語の例
「お」がつく単語 | 「ご」がつく単語 |
---|---|
お手紙 | ご意見 |
お電話 | ご連絡 |
お名前 | ご報告 |
お時間 | ご協力 |
🔹 「お・ご」をつけない方がよい単語(例外)
- × お会社 → ○ 会社
- × お天気 → ○ 天気
- × ご住所 → ○ 住所
丁寧語の例文
- 「こちらのお手紙を、お客様にお届けいたします。」
→ 「手紙」を「お手紙」に変換 - 「お時間がある際に、ご確認をお願いいたします。」
→ 「時間」に「お」、「確認」に「ご」をつけて丁寧な表現に - 「お電話ありがとうございます。」
→ 「電話」に「お」をつけて、より丁寧に
ステップ③:クッション言葉を使い、柔らかい印象にする
ビジネスシーンでは、相手にお願いをしたり、意見を伝えたりするときに、できるだけ柔らかい印象を与えることが重要です。
ストレートすぎる表現を使うと、相手に命令口調に聞こえたり、冷たい印象を与えたりすることもあるため、直接的な言い方を避けるのがマナーとされています。
そこで役立つのが、「クッション言葉」です。
クッション言葉を使うことで、相手に配慮した伝え方ができ、スムーズなコミュニケーションにつながります。
1. クッション言葉とは?
クッション言葉とは、依頼・質問・断る場面などで、直接的な表現を避け、柔らかく伝えるための言葉のことです。
「クッション」という言葉のとおり、相手への衝撃を和らげる役割を持っています。
例えば、
- 「この資料、確認してください。」 → 命令的で冷たい印象になる
- 「お手数ですが、こちらの資料をご確認いただけますでしょうか。」 → 丁寧で相手を気遣った印象になる
このように、クッション言葉を入れるだけで、相手に与える印象が大きく変わります。
2. クッション言葉の例と活用方法
① 依頼するときのクッション言葉
相手に何かをお願いするときに、ストレートに伝えると命令口調になりやすいため、クッション言葉を使うとスムーズになります。
状況 | NG(直接的すぎる表現) | OK(クッション言葉を使う) |
---|---|---|
資料の確認をお願いする | 「この資料、確認してください。」 | 「お手数ですが、こちらの資料をご確認いただけますでしょうか。」 |
作業を依頼する | 「これ、やっておいてください。」 | 「お忙しいところ恐縮ですが、こちらの対応をお願いできますでしょうか。」 |
上司に報告を求める | 「進捗を報告してください。」 | 「お手数ですが、進捗状況についてお伺いできますでしょうか。」 |
🔹 ポイント
- 「お手数ですが」「恐れ入りますが」などを加えると、丁寧な印象になる
- 「〜してください」ではなく「〜していただけますでしょうか?」と表現すると、より柔らかくなる
② 質問するときのクッション言葉
質問をするときも、ストレートに聞くと圧迫感が出ることがあります。特に相手が上司や取引先の場合は、柔らかい表現を意識しましょう。
状況 | NG(直接的すぎる表現) | OK(クッション言葉を使う) |
---|---|---|
進捗を尋ねる | 「この件、どうなっていますか?」 | 「恐れ入りますが、この件について状況をお伺いできますでしょうか。」 |
上司に意見を求める | 「どう思いますか?」 | 「失礼ですが、ご意見をお聞かせいただけますでしょうか。」 |
確認の連絡をする | 「まだ返信がありませんが?」 | 「先日の件について、念のため確認させていただけますでしょうか。」 |
🔹 ポイント
- 「恐れ入りますが」「失礼ですが」「念のため」などを加えると、角が立たない
- 「〜ですか?」よりも「〜いただけますでしょうか?」の方が柔らかい印象になる
③ 断るときのクッション言葉
断るときに直接「できません」と言うと、相手に冷たい印象を与えてしまいます。相手の気持ちを考えた言い方をすることで、関係性を良好に保つことができます。
状況 | NG(直接的すぎる表現) | OK(クッション言葉を使う) |
---|---|---|
依頼を断る | 「それはできません。」 | 「申し訳ございませんが、その件は対応が難しい状況です。」 |
スケジュールの調整が難しい | 「その日は無理です。」 | 「あいにくですが、その日は都合がつかず、別の日程をご提案できますでしょうか。」 |
提案を却下する | 「この提案はダメですね。」 | 「貴重なご提案をありがとうございます。大変申し訳ございませんが、今回は別の方向で進めることになりました。」 |
🔹 ポイント
- 「申し訳ございませんが」「あいにくですが」などを加えると、断る際の印象が柔らかくなる
- 相手の努力や意見に対して敬意を示す言葉を加えると、関係が悪化しにくい
3. クッション言葉を使うときの注意点
クッション言葉は、適度に使うことで効果を発揮しますが、過度に使うと回りくどくなり、逆に分かりにくい文章になってしまうことがあります。
クッション言葉の使いすぎに注意
❌ NG例:「大変申し訳ございませんが、恐縮ながら、もしよろしければ、この件についてご確認いただけますでしょうか。」
→ 冗長になりすぎて、何を伝えたいのか分かりにくくなる
✅ OK例:「恐れ入りますが、この件についてご確認いただけますでしょうか。」
→ 適度なクッション言葉を使いながら、簡潔に伝えるのがポイント
ステップ④:ビジネスメール・会話での定型フレーズを身につける
ビジネスシーンでは、適切な言葉遣いと定型フレーズを使いこなすことが、円滑なコミュニケーションの鍵になります。特に、ビジネスメールや会話では、場面ごとに適切な表現を選ぶことが重要です。
よく使われるビジネスフレーズを身につけておけば、やり取りがスムーズになり、相手に失礼のない丁寧な印象を与えることができます。ここでは、具体的なシーンごとのフレーズを詳しく解説します。
① 挨拶・冒頭の言葉
なぜ重要なのか?
ビジネスメールや会話の冒頭での挨拶は、相手に好印象を与え、スムーズなコミュニケーションの第一歩となります。適切なフレーズを使うことで、礼儀正しく、相手との関係性を円滑に保つことができます。
よく使われるフレーズ
- 「お世話になっております。」(ビジネスメールの定番)
- 「いつもお引き立ていただき、ありがとうございます。」(取引先への感謝)
- 「ご無沙汰しております。」(久しぶりの連絡の際に)
- 「突然のご連絡、失礼いたします。」(初めての連絡や、急な連絡の際に)
例文
メールの冒頭の挨拶として
件名:〇〇のご案内について
本文:
〇〇株式会社 △△様
お世話になっております。〇〇株式会社の□□です。
いつも大変お世話になっております。
🔹 ポイント
- 初めての連絡には「突然のご連絡、失礼いたします。」を使うと丁寧。
- 取引先には「お引き立ていただき、ありがとうございます。」を使うと好印象。
- 久しぶりのやり取りでは「ご無沙汰しております。」を入れると自然。
② 依頼するとき
なぜ重要なのか?
ビジネスでは、相手に何かを依頼する場面が頻繁に発生します。しかし、ストレートに「〜してください」と伝えると、命令口調になり、失礼な印象を与えることがあります。クッション言葉を使って柔らかく伝えるのがポイントです。
よく使われるフレーズ
- 「恐れ入りますが、ご対応のほどよろしくお願いいたします。」
- 「お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。」
- 「恐縮ですが、ご確認いただけますでしょうか。」
例文
資料の送付を依頼する場合
件名:〇〇の資料ご送付のお願い
本文:
〇〇株式会社 △△様
お世話になっております。〇〇株式会社の□□です。
お手数をおかけしますが、〇〇の資料をお送りいただけますでしょうか。
何卒よろしくお願い申し上げます。
🔹 ポイント
- 「恐れ入りますが」や「お手数をおかけしますが」をつけると、丁寧な印象になる。
- 「〜してください」ではなく、「〜いただけますでしょうか?」にすることで、柔らかくなる。
③ 確認・催促するとき
なぜ重要なのか?
ビジネスでは、進捗を確認したり、対応を催促したりする場面も多いですが、相手にプレッシャーを与えたり、不快な思いをさせたりしないよう、慎重な言い回しをすることが重要です。
よく使われるフレーズ
- 「念のため、進捗状況をお伺いできますでしょうか?」
- 「恐縮ですが、期限までにご対応いただけますでしょうか?」
- 「お忙しいところ恐れ入りますが、状況をお聞かせいただけますと幸いです。」
例文
納品スケジュールの確認をする場合
件名:〇〇の納品スケジュールについて
本文:
〇〇株式会社 △△様
お世話になっております。〇〇株式会社の□□です。
先日ご依頼した件について、念のため進捗状況をお伺いできますでしょうか。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
🔹 ポイント
- 「念のため」や「恐縮ですが」を入れると、圧迫感を軽減できる。
- 「〜してください」ではなく、「〜いただけますでしょうか?」とすると、催促が柔らかくなる。
④ 断る・お詫びするとき
なぜ重要なのか?
ビジネスでは、依頼を断る場合や、謝罪が必要な場面もあります。しかし、直接「できません」と言うと、相手に冷たい印象を与えてしまいます。相手の気持ちに配慮した言い回しを心がけましょう。
よく使われるフレーズ
- 「誠に申し訳ございませんが、ご対応が難しい状況です。」
- 「ご期待に沿えず申し訳ございません。」
- 「大変恐れ入りますが、今回は見送らせていただきます。」
例文
提案を断る場合
件名:〇〇のご提案について
本文:
〇〇株式会社 △△様
お世話になっております。〇〇株式会社の□□です。
貴重なご提案をいただき、誠にありがとうございます。
社内で検討いたしましたが、誠に申し訳ございませんが、今回は見送らせていただくこととなりました。
また機会がございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。
🔹 ポイント
- 「申し訳ございませんが」「ご期待に沿えず」などを入れることで、柔らかい印象になる。
- 相手の努力や時間に対して感謝の意を伝えると、関係が悪化しにくい。
ステップ⑤:シーンごとの言葉遣いを意識する
ビジネスシーンでは、相手や状況に応じた適切な言葉遣いを選ぶことが重要です。
特に、「社内」と「社外」では、使う言葉が異なるため、それぞれのシチュエーションに応じた言葉遣いを意識する必要があります。
例えば、同じ内容の報告でも、社内の上司に対してはシンプルに伝えて問題ありませんが、社外の取引先にはより丁寧な表現を用いるのが一般的です。
状況に応じて適切な言葉を選ぶことで、ビジネスコミュニケーションの質が向上し、信頼関係を築きやすくなります。
社内と社外での言葉遣いの違い
ビジネスシーンでは、社内の同僚や上司に使う言葉と、社外の取引先や顧客に使う言葉は異なります。
社内では、ある程度簡潔な表現でも問題ありませんが、社外ではより丁寧な敬語を使うことが求められます。
以下に、よくあるビジネスシーンごとの「社内」と「社外」の言葉遣いの違いを詳しく説明します。
上司に報告する場合
社内での表現(比較的シンプルでOK)
- 「〇〇部長、今週の進捗ですが…」
- 「今のところ、特に問題なく進んでいます。」
- 「予定どおり進めていますが、〇〇の部分で調整が必要かもしれません。」
🔹 ポイント
- 社内では、上司に対して「部長」などの役職名をつければ十分。
- 過剰な敬語は不要で、分かりやすく簡潔に伝えることが大切。
社外での表現(より丁寧な表現を使う)
- 「〇〇様、今週の進捗についてご報告申し上げます。」
- 「現在、予定どおり進行しておりますが、一部調整が必要な点がございます。」
- 「何かご不明な点がございましたら、お気軽にお申し付けください。」
🔹 ポイント
- 社外の相手には「〇〇様」と呼びかける(「〇〇部長様」は不自然なので避ける)。
- 「申し上げます」「お申し付けください」などの敬語を用いて、より丁寧な言い回しにする。
電話対応をする場合
社内での表現(簡潔で問題なし)
- 「〇〇さん、今お手すきですか?」
- 「△△さんから電話です。」
- 「後で折り返してもらえますか?」
🔹 ポイント
- 社内では「〇〇さん」と呼ぶことが一般的(役職がある場合は「〇〇部長」など)。
- 「お手すきですか?」は社内でよく使われるフレーズ(カジュアルだがビジネスで許容される)。
社外での表現(より丁寧に)
- 「恐れ入りますが、〇〇様はいらっしゃいますでしょうか?」
- 「〇〇様よりお電話をいただいております。」
- 「お手数ですが、折り返しご連絡いただけますでしょうか?」
🔹 ポイント
- 社外の相手には「〇〇様」と呼ぶ(「〇〇さん」だとフランクすぎる)。
- 「いらっしゃいますか?」など、相手を立てる尊敬語を用いる。
- 「お手数ですが」をつけることで、より丁寧な印象になる。
メールでファイルを送る場合
社内での表現(シンプルでOK)
- 「ファイルを送ります。」
- 「こちらが資料です。」
- 「添付ファイルをご確認ください。」
🔹 ポイント
- 社内では、同僚や上司に対して「送ります」程度の表現でも問題ない。
- 敬語を使いすぎると、かえって不自然になることがあるので注意。
社外での表現(よりフォーマルに)
- 「資料を添付いたしましたので、ご確認のほどよろしくお願いいたします。」
- 「お手数ですが、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。」
- 「ご不明な点がございましたら、お気軽にお知らせください。」
🔹 ポイント
- 「ご査収(=受け取って確認すること)」を使うと、より丁寧な印象になる。
- 「ご確認ください」よりも「ご確認のほどよろしくお願いいたします」の方が柔らかい印象に。
- 「お手数ですが」を入れると、相手への配慮が伝わる。
シーンに応じた適切な表現を使い分けるコツ
① 相手の立場を意識する
- 社内:役職者には丁寧に、同僚とはシンプルに。
- 社外:取引先や顧客には、より丁寧な敬語を使う。
② 「簡潔さ」と「丁寧さ」のバランスをとる
- 社内のやりとりは簡潔に伝えた方が効率的。
- 社外では、相手に配慮した言葉遣いを心がける。
③ 定型フレーズを覚えておく
- 「ご査収のほどよろしくお願いいたします。」(メール送付時)
- 「恐れ入りますが、ご確認いただけますでしょうか。」(確認依頼時)
- 「申し訳ございませんが、今回は対応が難しい状況です。」(断る場合)
これらのフレーズを覚えておくと、ビジネスシーンでスムーズに対応できます。
まとめ
ビジネスの世界では、言葉遣いが第一印象を大きく左右しますが、最初は覚えることが多くて大変に感じるかもしれません。しかし、安心してください。使っているうちに自然と慣れていくものです。
この記事で紹介した「です・ます調」や敬語、クッション言葉、そしてシーンごとの定型フレーズを意識しながら、少しずつ実践していきましょう。
最初はぎこちないかもしれませんが、日々のコミュニケーションを通じて、自信を持って言葉を使えるようになります。
言葉遣いをマスターすることで、周囲との信頼関係を築き、円滑なビジネスコミュニケーションが実現できるでしょう。
最初の一歩を踏み出すのは勇気がいるかもしれませんが、あなたの成長を楽しみにしています。頑張ってください!